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人工知能伝習所

〜 AI x Big Data x IoTなトピックを、非エンジニアにも分かりやすくお届け 〜

人工知能とは何か?(3)脳と倫理を学ぶ人工知能

9/179/20の記事にひき続き、人工知能学会&情報処理学会の学会誌の特集をウォッチします。第3部は、人工知能のホットトピックである「汎用人工知能」と「人工知能と倫理」に関する解説記事です。

Brain

1. 汎用性の創発を脳に学ぶために

 山川 宏(ドワンゴ人工知能研究所)

人工知能における2種類の知識表現
 - 記号表現:特定の意味を対応付けた表現(単語)
 - 分散表現:多次元ベクトルにおける値の分布

・大人の知能と子供の知能が合流しはじめた
 - 大人の知能:記号表現による論理推論(設計で実現)
 - 子供の知能:分散表現による帰納推論(学習で実現)
 ⇒子供の知能の実現には、計算パワーが必要だった

・汎用人工知能の実現のカギは「分散表現に対する演繹推論」
 アプローチは2種類。
 - 記号接地アプローチ:分散表現知識を記号的知識に対応付けて演繹推論を行う
  + 脳の言語機能を担う領野との関連が深く、機能的なモデル化が進んでいる
 - 分散表現演算アプローチ:分散表現知識に対して直接演繹推論を行う
  + 脳に対応づけた議論を行った研究はまだない


2. 人工知能と倫理

 松尾 豊(東京大学

人工知能と倫理に関する4つの問題
 - (1)人工知能の持つリスク
 - (2)人工知能にかかわる人間の倫理の問題
 - (3)失業等の社会的インパクトの話題
 - (4)法律や社会の在り方にかかわる話題

・(1)人工知能の持つリスク
 - 人工知能脅威論に対して専門家は否定的
  + 「自らを改変する人工知能」は技術的に現実味がない
 - Google Brainチームが考えるリスク
  + 間違った目的関数の設計
  + スケールに起因する問題
  + 不十分なデータやモデルによって起こる問題

・(2)人工知能にかかわる人間の倫理の問題
 - 人工知能が戦闘・軍事に利用される可能性
 - 人の心に入り込む可能性(商品を買わせる、悪事をさせる、恋に落ちさせる)
 - 人工知能学会倫理委員会では、倫理綱領案を発表

・(3)失業等の社会的インパクトの話題
 - マッキンゼー「職がなくなるのではなく、タスクがなくなる」
 - 失業の議論より、競争力に活かせるかの議論も重要
 - 人工知能時代の「教育」も大きなトピック⇒生涯を通じて学び続ける

・(4)法律や社会の在り方にかかわる話題
 - 人工知能が創作した作品の権利はどうなるか?
 - 人工知能が大量データから導出した「モデル」の権利はどうなるか?
 - 自動運転におけるトロッコ問題(人を助けるため別の人を殺して良いか?)
 ⇒我々がどういう社会を作りたいかという話に帰結する



上記2つの解説記事に関連すると思われるシンポジウムや研究会、セミナーなどのイベントをピックアップしてみました。関連情報は最新動向を「もっと詳しく知りたい」方は、リンク先の資料を参照したり、開催予定のイベントに参加してみてはいかがでしょうか。

第3回 汎用人工知能と技術的特異点(SIG-AGI)
 (2016年9月12日)

新学術領域研究「人工知能と脳科学」のキックオフシンポジウム
 (2016年9月13日)

第1回シンギュラリティシンポジウム
 (2016年9月16日)

研究・イノベーション学会 緊急ワークショップ
 (2016年9月27日)

計算生命科学の基礎Ⅲ -生命科学と理工学の融合による生命理解と医療・創薬への応用-
 (2016年10月4日~2017年1月24日 毎週火曜日17:00-18:30)

第二回全脳アーキテクチャ・ハッカソン
 (2016年10月8日~10日)

総合人間学会 第1回懇談会
 (2016年10月8日)

2045年:人工知能の旅
 (2016年10月16日)

第4回 JAPAN LEGAL TECHNOLOGY CONFERENCE ― リーガルテック展2016 ―
 (2016年10月21日)

AI学会30周年記念Week
 (2016年11月9日~16日)

人工知能ビジネス活用研究会
 (2016年11月10日~12月1日 全4回)

公開講座「人工知能と法律・倫理問題」
 (2016年11月22日)