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人工知能伝習所

〜 AI x Big Data x IoTなトピックを、非エンジニアにも分かりやすくお届け 〜

アフガン生まれの17歳高校生、ディープラーニングで乳がん検査の革命を目指す

Deep Learning 活用事例:医療

明日、10月1日はピンクリボンの日。そして10月は乳がん月間です。乳がんは、女性が最もかかりやすいがんで、日本国内で乳がんになる人は、30年前に比べてなんと5倍以上に増えています。アメリカでも、乳がんは2015年に女性が診断されたがんの1位、死因となったがんの2位にランキングされています。

最近では、乳がんで闘病中の小林麻央さんが、ご自身のブログでがんが骨や肺に転移していることを伝えました。また、昨年は元女子プロレスラー北斗晶さんが、乳がんで右乳房を全摘出したニュースで話題になりました。このニュースをきっかけに、乳がん検診を受ける女性も増えたそうです。中には、検診件数が5倍になった病院もあるとか。


breast cancer awareness month


先日の記事でも、乳がん検診に人工知能を使う事例を紹介しましたが、なんと17歳の高校生がディープラーニングを使った新しい乳がん検診のスタートアップを立ち上げているというニュースを見つけたのでご紹介します。

chicagoinno.streetwise.co
www.dnainfo.com

現在の乳がん検診では、5%〜17%の乳がんが見落とされているそうです。一方、マンモグラフィーで乳がんでないのに乳がんと診断されてしまうケースも多く、統計では22%〜23%が「過剰診断」であり、ヘルスケア予算のうち年間40億ドルも余分に失われています。

そんな状況を改善しようと立ち上がったのが、アブ・カデル(Abu Qader)君。アフガニスタン生まれで、生後数ヶ月でアメリカに渡り、現在はシカゴに済む17歳の高校生です。彼は、人工知能を使って誤診断を減らそうというのです。

彼が立ち上げたGliaLabというスタートアップでは、既存の医療機器を使った乳がん診断をスマート化しようとしています。機械学習ビッグデータの力で、従来よりも高速で正確な診断を行えるようにします。カデル君によれば、現在、GliaLabはリアルタイムに乳がんを診断でき、その精度は93%〜99%です。

人工知能ベースの乳がん診断を提供する他の競合企業は、診断装置そのものを新しく導入しなければならないのに対し、GliaLabでは既存の医療機器を流用できるのが利点です。これにより、より安価で高度な乳がん診断を提供できます。

GliaLabのきっかけは、彼が通う高校の授業の一環でAIソフトウェアを開発したことでした。彼は、授業が終わった後も開発を続け、実名制Q&AサイトQuoraで出会った共同創業者の協力を得て昨年12月にGliaLabを立ち上げました。現在、ベンチャーキャピタルから40万ドルの投資を受けようと頑張っているところです。

彼のインタビュー記事の最後で、同世代の仲間に向けた言葉がとても良かったので、原文をそのまま引用します。

The big theme is having faith in an idea. People who are sciencey are often perceived as underperformers business-wise, but I think the bigger seller is developing and scaling science that more directly helps the people we know. We’re empathetic creatures and that’s a strength, a saleable strength in fact. That’s when science made the most sense to me.


(大事なのはアイデアに信念をもつこと。科学者は商売下手だと思われがちだけど、身近な人たちを直接助けられるよう、科学を駆使できる人がより良い商売人になれるんだ。人間は共感の生き物で、それが人間の強さであり、売りでもある。だから、科学はぼくにとって最も意味があることなんだ。)