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人工知能伝習所

〜 AI x Big Data x IoTなトピックを、非エンジニアにも分かりやすくお届け 〜

Amazon、対話型人工知能の学生コンテストを開催。賞金総額はなんと250万ドル

チャットボット 活用事例:ホーム

このブログを読んでくださっているそこのあなた。ええ、あなたです。学生さんですか?ひょっとしたらだけど・・・人工知能とかチャットボットとか興味ある?え?あるの?じゃあ、YOU!Amazon Alexa Prizeに参加しちゃいなYO!

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Amazonは知ってるけど、Alexaって一体何?」という人も多いかもしれませんね。Alexaは、AppleiPhoneで言うところのSiriみたいな音声認識を使った対話型人工知能です。スピーカ型端末Amazon Echoに搭載されていて、音声入力に対する返答や命令の実行を行います。プロモーションビデオはこちら。

www.youtube.com

4人家族のリビングに鎮座ましましている円筒形のスピーカーに「Alexa!」と家族が呼びかけると、家族それぞれの好みの音楽をかけたり、勉強中のお兄ちゃんの難しい単語のスペルを答えたり、料理で手が離せないお母さんに代わってタイマーをセットしたり、忙しいお父さんに朝のニュースを読み上げてくれたりしています。

Alexaが実行できる機能は「スキル」と呼ばれ、開発キットAlexa Skills Kit(ASK)を使えば誰でも追加で開発が可能です。今年の1月時点ではAlexaのスキルは100程度だったのですが、6月に1000を突破。9月中旬では3000以上のスキルと、すごい勢いで増えています。Amazon以外のサイトとの連携も進んでおり、今では、Uberでタクシーを呼んだり、ドミピザを注文したり、といったスキルも実行可能です。下記は、Alexaが持っている特徴的な50のスキルを矢継ぎ早にテストするデモ動画です。

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前置きが長くなってしまいましたが、Amazon Alexa Prizeは、Alexaの新しいスキルとして「ソーシャルボット機能」すなわち、「芸能/ファッション/政治/スポーツ/テクノロジなどの時事ネタで、人間と雑談するスキル」を競うコンテストになります。

対象は大学生。参加チームのうち最大10チームに対して、10万ドルの資金の他、Alexaが搭載された端末、AWSの無料サービス、Alexaチームからのサポートが提供されます。優勝チームには50万ドルの賞金が贈られますが、同時に、チームが所属する大学にも100万ドルの賞金が提供されます。コンテストの目標は「人間に分かりやすい会話を20分間継続できること」。ちなみに、最新技術を駆使した対話型人工知能で達成できている時間の5倍以上の長さの会話を引っ張る能力が必要だそうです。

参加受付は既に始まっています。参加申し込み〆切は10月28日23時59分(太平洋時間)までです。コンテストの期間は1年間で、受賞者の最終発表は2017年11月に行われる「AWS re:Invent in November 2017」で行われます。

コンテストのおおまかな流れとルールは以下の通りです。

フェーズ 期間
1: 参加申込 2016/09/29 〜 2016/10/28 23:59(PT)
2: スポンサー申込レビュー 2016/10/29〜2016/11/13
3: 参加者通知 2016/11/14
4: 初期スキル開発 2016/11/14〜2017/03/31 23:59 (PT)
5: 初期フィードバック 2016/04/01〜2016/06/30
6: セミファイナル 2017/07/01〜2017/08/15
7: ファイナル 2017/08/16〜2017/10/15
8: 最終審査 2017/11

フェーズ1の参加申込の時点で、チームのビジョン(500 word以内)、提案アプローチの概要(1000 word以内)、作成するシステムのアーキテクチャ(2枚以内)を提出する必要があります。フェーズ2のレビューでは下記の観点で審査され、通過したチームだけがフェーズ3に参加できます。
 ・この分野における潜在的な科学的貢献となる可能性があるか
 ・提案手法の技術的利点
 ・アイデアの新規性
 ・参加チームの実行力

申込の時点で、ある程度チャットボットや対話型人工知能の研究動向や技術トレンドをおさえた上で、提案アプローチのオリジナリティや独創性をアピールできるようにしたいですね。フェーズ3に進むチームのうち、10チームは10万ドルの資金提供を受けられますが、10チームに限定されるわけでもないようです。場合によっては、10万ドル以下の資金提供を受けられたり、自己資金で参加できたりするようです。

その後、フェーズ4で最初の「ソーシャルボット」を開発して提出。フェーズ5では、提出された「ソーシャルボット」のスキルがAlexaのユーザに公開されます。Alexaユーザは自分のAlexaに「Alexa、◯◯について話そう」と話しかけることによって、ソーシャルボットのスキルで対話ができるようになります。Alexaユーザが対話を終了すると5段階評価をつけ、チームにフィードバックします。

フェーズ6のセミファイナルでは、初期フィードバックを元に改良された「ソーシャルボット」が再度、Alexaユーザと対話して評価されます。最後は、評価の高い上位2チームと、Amazonが選んだ1〜2チームの「ソーシャルボット」がフェーズ7のファイナルに出場できます。ファイナルでもAlexaユーザによる同様の評価が行われ、それをベースに改良を続けます。

そして、フェーズ8の最終審査が行われます。このフェーズでは、Amazonが、一般的なトピックの会話を行う3名の対話者と、その人間と「ソーシャルボット」の間の会話を審査する審査員3名を任命し、Twitch.tvのストリーミング上で公開の会話を行い勝者を決定します。審査員は、対話者と「ソーシャルボット」の会話を聞いて、もし、自分だったらこの「ソーシャルボット」とこれ以上会話を続けたくない、と思ったタイミングでストップボタンを押します。3人の審査員のうち2名がストップボタンをおした時点か、または、20分間で会話は終了です。その後、審査員が「そのソーシャルボットと会話したいか」という観点で5段階評価をつけ、それが最終スコアとなります。

これは個人的な意見ですが、「自然な会話を20分間続けて、かつ、人間の満足度を上げる」という目標を達成するには、豊富な知識を繰り出す「話し上手なソーシャルボット」よりも、適度な相づちやうまい切り返しを続けながら相手の話を引き出していく「聞き上手なソーシャルボット」を目指すことが大事な気がします。

最後に、Amazon Alexa Prizeのプロモーションビデオをご紹介します。世界のトップクラスの大学と肩を並べながら、会話型人工知能のブレークスルーを目指して1年間走り続ける。優勝すれば大学にも貢献できるし、優勝できなかったとしても、トライしたアイデアや培った技術はきっと良い論文として大きな成果になることでしょう。ハードルは非常に高いですが、挑戦する価値も多いにあると思います。Good Luck!
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