アクセンチュアの人工知能、ビジネスの機微をオーケストラで表現
先日、ソニーコンピュータサイエンス研究所(Sony CSL)が、人工知能による作曲プロジェクト「FLOW MACHINES」で作曲したビートルズ風の新曲をYouTubeで公開して話題になりましたね。
今度は、テクノロジ系に強いコンサル企業、アクセンチュアが、人工知能による作曲プロジェクト「Symphonologie」で、人工知能が作曲した交響曲をパリのルーブル美術館で披露しました。
まずは、先入観なしでその曲を聴いてみてください。
youtu.be
いかがでしたか?結構、エモーショナルな響きのあるオーケストラの音楽に仕上がってますよね。
実は、この曲、単に人工知能がゼロから作り出したのではなく、「人工知能にビジネスやテクノロジのニュース記事を読み込ませ、そこから抽出された感情を使って書かれた曲」なんです。
作曲の手順は、下記の通りです。
(1) ビジネス/テクノロジ系の重要記事(600ページの書籍一冊分程度)を人工知能に読み込ませ、「感情」にまつわるキーワードを抽出する。
(2) 抽出された感情語を8つのカテゴリに分類する。このカテゴリそれぞれに対して、テンポ、音階、長さなどの音楽的要素に変換し、MIDIの音楽ファイルとして出力される。その際、どんな楽器で演奏すべきかも指定する。
(3) 人間の作曲家が音楽ファイルを聞いて、音楽のモチーフを決め、表現された感情を「曲」としてまとめていく。(あ、そこ、人間がやっちゃうんだ・・・)
(4) 人間のデータビジュアリストが、曲の中で感情が表現されるタイミングで、その元になった記事のキーワードを映像にマッピングする
このプロジェクトは、アクセンチュア・ストラテジのMark Knickrehm氏が、「デジタルとテクノロジの時代に何が起こっているのか」を、「文化を超えて表現する」ことを考えた時に、「音楽」が一番良い手段だと考えたことがきっかけだそうです。
アクセンチュアは、この活動を通じて「人工知能とは何か、戦略にどのように使えるのか、クラウドはどのように強化されるのかを話したい」としています。
また、アクセンチュアは最近のレポートで、「2035年までに人工知能による年間経済成長は先進国で2倍に。労働者の生産性を40%向上する」という、強気の予測を発表しています。あわせてごらん下さい。