人工知能伝習所

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ネット通販やオークションサイトの海賊版/偽物ブランド品を監視・摘発する人工知能

先日、iPhone 7が発売されましたが、中国では早速、本物とまったく見分けがつかないiPhone 7 Plusのニセモノが出回っているようですね。


最近は偽造品の製造技術レベルが向上しており、本物そっくりのニセモノは「スーパーコピー」と呼ばれるほどです。現在急成長中のメルカリでも、最近は精巧な偽物を送りつけられるケースが増えており東京都が注意喚起するほどの事態になっています。


一方で、逆にソフトバンクショップで買った正規品のiPhoneを修理に持ち込んだのに「ニセモノ扱い」された、という珍騒動まで起こっています。ここまで来ると、売り手も買い手も、何を信頼すればいいのか分からなくなってしまいますね。



Don't know how to title this


iPhoneに限らず、偽造品による企業の被害は結構な割合を占めています。特許庁が発表している2015年度模倣被害調査報告書によると、調査に回答した約4000社のうち、偽造品の被害にあっている企業は約900社と、2割以上の企業が何らかの模倣被害にあっています。被害総額は年間約1000億円にのぼります。


国・地域別に見ると、圧倒的に中国が多く、その後に台湾、韓国が続きます。また、6割以上の企業がネット上で被害を受けています。海外での模倣品被害については、経済協力開発機構(OECD)の調査によると、世界の偽ブランド品・海賊版商品の流通総額は約4600億ドル(約50兆円相当)で、世界貿易額の最大2.5%相当に上るとのことです。


今年6月には、中国・アリババ会長が「偽物は本物より高品質」と発言し、国際的に物議をかもしました。また、先月22日には、日中経済協会、経団連、日本商工会議所でつくる訪中団が中国に模造品対策を要求したりしていますが、結局のところ、企業自身が「もぐら叩き」的に模造品対策を行うしか手がないのが現状です。


米国シカゴのスタートアップ3PM Marketplace Solutionsは、そんな企業の「もぐら叩き」を人工知能で支援しようとしています。人間の代わりに人工知能にネット通販やオークションサイトを巡回させ、偽物が出品されていないか監視し、怪しい出品があれば、企業担当者に通知するのです。


具体的にどのように偽物を判定するのかの詳細は「企業秘密」として明らかにされていませんが、built in chicagoの記事によると、出品者の取引のレーティングや、その出品者が出品している商品の種類、レビューの信憑性などを考慮して判定するようです。人工知能から通知を受けたクライアント企業の担当者は偽物が出品されているサイトに連絡し、出品を取り下げてもらいます。


3PM社の監視の対象は、DVDからヘルスケア用品、化粧品、認可済み薬品など多岐にわたります。彼らの最初の顧客はアメリカのケーブルテレビ局大手HBOとの海賊版DVD取り締まりですが、創業者のRob Dunkel氏によると、彼らのソリューションは大手ブランドだけのものではなく、あらゆるサイズの企業が利用可能である、とのことです。


Dunkel氏は前職はアルゴリズム・トレードの会社に所属していましたが、2013年に創業。以来、MITのポスドクシカゴ大学機械学習専攻の修士、ロシアの航空宇宙学技術者などの専門家を引き入れてチームを結成しています。また、技術・事業両面のアドバイザーとして、ソニー・ピクチャーズ・ホーム・エンターテイメントの元社長も参画しているそうです。

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