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人工知能伝習所

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CIAの人工知能、ビッグデータとディープラーニングの力で暴動発生を5日前に予測可能

活用事例:公共

昨年3月、アメリカ中央情報局(CIA)は、抜本的な組織改革の一環としてデジタル革新本部(Directorate of Digital Innovation)という部局を創設しました。設立の目的は、サイバー上でのCIAの情報活動を統括することと、そのための専門家の育成やノウハウの蓄積です。


Raymond Walker


彼らのミッションの一つに「予測インテリジェンス」があります。これは、アメリカの国家情報戦略(National Intelligence Strategy)の中で、「国家安全上、優先順位を変えてでも緊急対応が必要な事態の発生、傾向、脅威、可能性について、検知、予測し、警告すること」と定義されています。


その成果の一部が、今月4日にワシントンDCで開かれた技術イベントで、報告されました


それによると、ディープラーニングを適用することで、膨大なオープン・データセットに含まれるビッグデータの中から、一見無関係に見える情報の間にパタンを発見し、抗議行動や暴動の発生を3~5日前に予測できるようになった、とのことです。


オープン・データセットとは、インターネット上で誰でもアクセス可能な情報をさしており、SNSの投稿、ニュース記事、記事に残されたユーザのコメント、ユーザフォーラムやソーシャルブックマークなどのビッグデータです。同時に、CIAにアーカイブされたレポートに記載されている過去のデータも分析対象となります。


分析の際には、社会科学における社会不安の増大や、クーデターや経済不安定性発生プロセスに関する知見や、CIAが60~70年間蓄積してきたノウハウが活用されています。


実際、今年の夏に全米各地にひろがった警察官に対する暴動の際には、ディープラーニングの「驚異的なアドバンテージ」が発揮され、事態の収拾に一役買ったとのことです。


ちょっと古い映画ですが、「マイノリティ・レポート」で描かれていた「未来」に、また一歩近づいた感があります。劇中でプールの中に横たわっていたプリコグ(預言者)たちは、クラウドの中のディープ・ニューラル・ネットワーク(DNN)だったのかもしれませんね。

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