MBAで人工知能やディープラーニングを教えるビジネススクールが増加中
「人工知能が人間の職業を奪う」という悲観的な予測が広がっていますね。野村総研とオックスフォード大学の予測によれば、「今後10年~20年間にかけて、現在日本国内で担われている職業の49%が人工知能などのロボットによって代替えできる可能性がある」ということで、大きな反響を呼んでいます。
人工知能に職を奪われないためには、
・人工知能が得意でないスキルを磨く
・人工知能を作る側にまわる
・人工知能を使う側にまわる
の3通りのアプローチがあるわけですが、世界の名門ビジネススクールでも「人工知能を使う側にまわる」教育の必要性の認識が広がっているようです。
今日は、下記の記事から抜粋して、各ビジネススクールでの取り組みをご紹介します。
・Top Business Schools Want MBAs to Monetize AI -
シンガポール国立大学
IBMのワトソンを使ってアプリケーションのプロトタイプをつくり、テクノロジを活用したビジネスプランの立案方法を学ぶ
HEC経営大学院(パリ)
IBMのワトソンを題材に、テクノロジーをいかに販売機会の向上に結びつけられるビジネスアプリケーションを開発するコースを開設
ハルト・インターナショナル・ビジネススクール
IBMのワトソンのコグニティブ・コンピューティングパワーを使ってビジネス機会を生み出しマネタイズする方法を学ぶ。
スタンフォード大学
コンピュータサイエンス学科と共同でのMS/MBAプログラムを提供。さらに、AIとデータサイエンスに関する大量の講座を提供。
上記のビジネススクールが人工知能やロボティクスの教育に取り組むのは、これらの技術が、経済や雇用のあり方を変えていく可能性が大いにあるため、将来のビジネスリーダーは、その技術の仕組みと可能性を知っておく必要があるからです。
一方、多くのビジネススクールでは、人工知能による職業への侵略に備え、「ソフト・スキル」と呼ばれるemotional intelligence(感情知能)や創造性を伸ばす教育が行われています。これは、冒頭で指摘した生き延びるための3つのアプローチのうち、「人工知能が得意でないスキルを磨く」に該当しそうですね。