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人工知能伝習所

〜 AI x Big Data x IoTなトピックを、非エンジニアにも分かりやすくお届け 〜

うつ病による自殺をくい止める人工知能セラピストTess

先日、電通の新入社員だった女性の自殺が労災認定されました。月105時間という残業時間もさることながら、彼女の残したツイッターでのつぶやきから、過酷な労働環境により精神的に追い込まれ、うつ病と推定される状態にあったことが指摘されています。


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アメリカでもうつ病は大きな問題になっています。アメリカ疾病対策センターの調査によると、アメリカ人の13人に1人(約8%)がうつ病に悩まされている一方、その20%しかメンタルヘルスの専門家のケアを受けられていないそうです。


このような状況に鑑み、X2AI社が開発した人工知能Tessは、誰でも、どこにいても、どんな収入の人でもメンタルヘルスケアを受けられることを目指しています。


X2AI社の説明によると、Tessは「心理学AI」であり、メンタルヘルスの専門家が不在でも、高度にパーソナライズされたサイコセラピー、心理学教育、健康関連のリマインダをオンデマンドで提供することができるそうです。Tessとの対話は1対1で、SMS、Facebookメッセンジャーなどのテキストメッセージが使えれば、誰でも使えます。


Tessの活用方法としては、下記の8つが挙げられます。
 ・感情認知による行動療法
 ・心理学的コーチン
 ・遠隔治療による自然な診断
 ・アンケート自動化
 ・セラピーへの熱意の改善
 ・医療機関でのメンタルサポート
 ・投薬による心理的問題への対処
 ・心理学的治療への敷居低減


X2AI社のCEOによるコンセプト説明動画が下記にあります。
www.youtube.com


X2AI社は「誰にでも心理ケアを」のミッションへのコミットメントの一例として、彼らの技術をアラビア語でも利用可能にした人工知能Karimを開発し、シリア難民への心理ケアを提供しています。100万人のシリア難民がレバノンに流れ込み、レバノンメンタルヘルスサービスがパンク状態になっているのを緩和させるためです。彼らの技術とミッションに対する真剣さが現れているエピソードだと思います。


日本では、昨年12月から職場でのストレスチェックが義務化されましたが、医師の6割が効果に懐疑的だったり、中小企業で実施されているのは2割だけといった報道もあり、まだまだ労働環境の改善への道のりは遠そうです。


将来的にはTessのようなAIを使って、気軽にセラピーを受けられるようになることで、うつ病に悩む人をケアすると同時に、本当に重症な人を早期にすくいあげる仕組みができると良いですね。